福井保久の二十四節気考

今年の6月5日は旧暦で4月27日、この日は芒種(二十四節気)です。

芒種の芒は「のぎ」のことで「禾(のぎ)」と同じ意味です。
稲や麦や粟や稗などのイネ科の植物の先端の針のような部分のことですが、それらの穀物の総称でもあります。
そして芒種は、それらの種を蒔く頃を指します。
現代農業では全国的に、5月の連休前後から五月一杯で田植えが終わりますから、芒種の意味合いはピンと来ないかもしれません。

個人的な話になりますが、農業の勉強を兼ねて自然農の稲作をやっています。
田んぼ内の自然環境だけで完結させる農業で、田んぼから何も持ち出さない、外部から田んぼへは何も足さない循環農業です。
田んぼ内の雑草も生態系の一部でその田んぼに必要なものという考えです。
もちろん、農薬も使いませんし、有機肥料を使うこともありません。
農作業も全て手作業なので、原始的な農業に近いともいえる稲作です。

その自然農の稲作では今が田植えです。
また粟や稗の雑穀は稲よりも生長が早いので、この時期の種蒔きで秋の収穫になります。(自然農の稲作でも稲の種蒔きは4月下旬です)

ちなみに干し芋用のサツマイモの苗を植える最適期は芒種の頃です。

芒種の時期は入梅と重なります。
稲にもサツマイモにも雑穀にも恵みの雨です。

福井 保久